出るかどうかも定かでない次回作への期待・要望をウットリと妄想する企画、
記念すべき第1回のテーマはWi-Fi対戦です。
流星のロックマン(当時はエグゼチームが開発する「新生ロックマン」)の発表とともに「Wi-Fi対応」であることが発表されたことから、エグゼのような対戦がネット経由で遊べる!という期待が膨らんだものの、蓋を開けてみれば、その期待は二重に裏切られる結果となった。すなわち……
その辺の経緯について、ディレクター兼バトルプランナーの安間氏はこう語っている。
エグゼの流れを受け継いではいますが、続編と新作じゃワケが違う。しかもロックマンの生みの親であるところの稲船さんからは「今回はオンラインゲームやで!」という指令をいただいてましたのでこりゃ大変です。オンラインゲームなんて1年そこらで作れるもんではないですからね・・
でもそういうムチャを言われてこそ開発スタッフとしてもとんちの見せ所です。結果、「みんなでつながって遊べる1人用ゲーム」という新しい形のプレイスタイルを生み出すことになりました!
多々ツッコミたくなる気持ちもあるが、「今回はオンラインゲーム」という稲船氏の発言から、開発初期の段階ではネット対戦の構想が少なからずあったことが伺える。
さらに、意地の悪い言い方をすれば、1年で作れないという理由から路線変更をしたのだから、もう1年かけて発売されるであろう次回作においては、開発期間が短くてオンラインゲームが作れません、と同じ言い訳を繰り返すことはできないであろう。
ワイヤレス対戦と同じことをWi-Fi対戦で行うことが可能だろうか?
DS2台とソフト2本を持っている人は試してみると良いが、通信範囲ギリギリであったり、間に遮蔽物があったりすると、ワイヤレス対戦の動作が異常に重くなる。
これは、必死に「同期」を取ろうとしているからである。対戦中は、親機と子機の時間のズレをなくすために頻繁に通信しあっていて、しかも合わせようとしている時間の単位は1/60秒。同期が取れない間はゲームが進行しないので、電波の送受信に時間かかってしまうと当然動かなくなってしまう。いくらワイヤレス対戦といえども、GBAの通信ケーブルのときと同じくらい近寄って対戦しなければ、どうしても時間のズレ(タイムラグ)による処理落ちが起こってしまう。
ワイヤレス通信でさえこのような状況になるのに、さらにネット回線を介するのだから、タイムラグの問題を回避しなければ、Wi-Fi対戦の実現は難しいと言わざるを得ない。
他のWi-Fi対戦可能なゲームはどうやって同期を取っているのかというと、至極単純な話で、あまり同期を気にせずにゲームを進行させるか、同期の回数を減らすのだ。
たとえば、マリオカートのようなゲームであれば、相手の位置と進行方向さえ分かっていれば、頻繁に同期を取らなくてもある程度の動きは予想できる。予想された動きと随時送られてくるデータをつなぎ合わせれば、あたかも相手がきちんと走っているように見える。
また、1/60単位の進行で同期させるのが難しいなら、処理を減らしてしまえば良い。オンラインゲームの中には,1/45秒や1/30秒単位で進行させることで、ゲームの進行が同期遅延することを防いでいるものも多いようだ。いわゆる「コマ落とし」の手法である。
もっとも、どこまでコマ落としすれば、タイムラグを気にしなくてよくなるのかは分からないし、コマ落としをしすぎるとモッサリした動きになってしまうだろう。しかし、現状、1/60である必然性はあまりなくて、1/30にしてもゲーム性に大きな変化は起こらないように思われる。いずれにせよ、タイムラグが起こってしまえば動作は重くなるが、この形式で対戦が可能になるのが一番望ましい。
ただし、マリオカートのWi-Fi対戦で一部のコースが使えなかったように、処理量を増加させる置物系は使用できなくなるなどの制限も必要になるかもしれない.
(この項は分かりにくい表現が使われていたので全体的に書き直しました)
最初にフォルダやカスタマイズのデータだけ送受信して、あとはCPUに動作を任せてしまえば同期を取る必要は無いし、そもそもお互いが時間を合わせて対戦せずとも、サーバ上にデータを保管しておくだけでいつでも自由に相手のデータをダウンロードして対戦できる。
CPUに動作を任せる、という部分でピンと来た人もいるだろう。エグゼ4や5のAI(公式的にはオートバトルデータ)だ。実際に、4にはAIデータを搭載したユニゾンナビを別のソフトから受信すれば、フリートーナメントを開催することで、それらのナビと対戦することができた。
AIは、使用頻度の高いチップとコンボ(同一ターンで使用した複数チップの組み合わせ)を記憶しており、移動を数回繰り返した後に、バスターやチップ、コンボで攻撃する。
しかし、これでは実際の対戦相手とかけ離れすぎている。AIはフォルダの枚数制限を無視しているし、移動もワープを使う。また、覚えているチップはゲーム開始時からの使用頻度で決まっているため、これを変更するのは容易なことではない。
ただし、これらの問題を解決することはそう難しくは無いだろう。
いずれにせよ、流星では、移動やチップコード、ナビカス、エリアスチールなどの面でシステムがかなり単純化されたため、AIも作りやすくなっているように思われる。
実は、発表当初、Wi-Fi対戦が搭載されるとしたら、この形式なのではないかと思っていた。
パートナーとなるボスキャラを選択し、相手と戦わせる。逆にこちらは相手が選んできたボスキャラと戦う。つまり、各々勝手にボスキャラと戦っていれば、提言2と同様に、同期を取る必要が無くなる。
しかし、これでは単なるボスキャラタイムアタックでしかない。そこで、相手からカウンターを取ったり、特定の攻撃をHITさせたりすると、相手に対してオジャマぷよを落とすが如く、オジャマ攻撃を仕掛けられるようにするのだ。これだけなら、そこまでシビアに同期を取らなくても可能だろう。
察しの良い方はお気付きの通り、これはエグゼ5や6で登場したクロスオーバーバトルの形式だ。まったくゲーム性の異なるボクタイとの異種格闘技戦を行うためのもので、GBAのワイヤレスアダプタを介して行われた。
もっとも、対戦相手はボスキャラでなく、提言2のようなAIでも可能だろう。
提言2も提言3も、既にエグゼの時代にやっていたことの延長に過ぎない。
ここで、もう一度、安間氏のコメントを引用させていただく。
ブラザーバンドシステムをぜひ楽しんで下さい!じつはブラザーバンドみたいな「友達をデータ化してバトルに登場させる」というアイデア自体は、エグゼ3開発初期に考えてたりしたんですよ。でもゲームボーイアドバンスの性能と通信機能ではアイデアをフルに再現することは困難だったので、あえなくボツとなりましたが、ニンテンドーDSで開発することになったときに「あ、今ならできるな」と。
エグゼ3の頃から「友達のデータ化」を考えていたということは、エグゼ4のAIやフリートーナメントはその片鱗とも考えられるし、ワイヤレスアダプタを利用したクロスオーバーバトルは、将来的なネット対戦の試金石だったとも考えられる。
そうでなかったとしても、エグゼの時代から、擬似的とはいえネット対戦の題材として有望なシステムを培ってきたのに、流星でそれらが活かされていないのは勿体無い。
もちろん、ワイヤレス対戦と同様のシステムでネット対戦ができるのが最も望ましいが、エグゼの血を受け継いだ流星のバトルシステムには、擬似的な対戦や変則的な対戦であっても、十分楽しめるものができるだけの素地があるのではないだろうか。
次回作には是非Wi-Fi対戦を!
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