出るかどうかも定かでない次回作への期待・要望をウットリと妄想する企画と言いつつも、
実は「流星2(仮)」が発表されたので、次回作が出るかどうかは定かになってるけど、
第4回のテーマはロックマンの変身・カスタマイズについて。
ロックマンはこれまで、様々な「変身」をしてきた。エグゼ2、3のスタイルチェンジに始まり、エグゼ4、5のソウルユニゾンと善悪、エグゼ6の獣化とクロス、そして、流星のスターフォースなどなど。
それぞれの変身システムには一長一短があり、好みが分かれることから、新システムを歓迎する声が聞かれる一方で、根強くスタイルチェンジ復活を望む声が聞かれたりもする。
チャージ武器の変化、属性の付加、各種特殊能力の付加が主な特徴。とはいえ、特徴をまとめるのも大変なので、詳しくは「もっとホンシツを見ようよ,熱斗君.」等を参照のこと。
チャージ武器の変化は、その攻撃力が次第に高くなってきたことで重要度を増し、エグゼ6では完全にチップ攻撃よりも優位に立っていた。その反動からか、流星では弱体化が著しい。
属性の付加は、弱点攻撃のダメージが2倍になるというデメリットが主。一部にはパネル変化に対するメリットがあったりもするのだが、パネル変化はシリーズを重ねるごとに影が薄くなっている。また、弱点が付加されない、無属性の変身も存在する(善悪度、獣化、一部のスタイル、ソウル)。流星では、属性の付加にメリットはなく(木属性のクサムラ回復は存在するが自力で足元にクサムラを作れない)、弱点2倍&変身解除というデメリットでしかない。
特殊能力の付加は、変身により様々で、とても一言ではまとめられず、また、ナビカスタマイザーなどの他システムとの絡みが大きい。むしろ、特殊能力の付加については、変身以外のシステムの方が重要。流星では、カードの横列選択とカウンターボーナスのSFB、ドラゴンのステータスガード。
いずれにせよ、基本コンセプトとしては、弱点2倍や発動・解除条件などを背負いながらも、種々のメリットによって戦闘を有利に進めるためのシステムである。しかし、そこに大きな問題がある。すなわち、メリットとデメリットのバランスだ。一般に、流星のSFは、変身で得られるメリットに比べて、弱点2倍のデメリットの方が大きいという見方が強い。
Ver.違いによって、使用可能な変身が異なることも特徴の一つに上げられるかもしれない。つまり、開発スタッフは変身システムを対戦における重要なシステムと考えていたということである。重要でなければ、Ver.ごとに分ける必要性が無い。
変身システムをもう少し広い視点で見ると、ロックマン(自キャラ)のカスタマイズの一部であると言える。
エグゼシリーズでカスタマイズの中核にあったのは、ナビカスタマイザー、縮めて「ナビカス」である。それに次いで、拡張機器が必要な「改造カード」が存在した。一方、流星ではブラザーバンドシステムがカスタマイズの役割も担い、拡張機器としては「ウェーブスキャナー」がある。
ナビカスは、ロックマンに様々な特殊能力を付加することができたが、特殊能力ごとに形や大きさが決まっており、なんでもかんでも入れられるというわけではなく、能力を取捨選択する必要があった。
一方で、ステージを穴だらけにして相手の動きを封じる戦法に対してはエアシューズのナビカスパーツ、強化バルカンに対抗するにはスーパーアーマーのナビカスパーツ、といった具合に、強力な戦法に対抗するための手段が非常に限られており、しかもナビカスに集中したことで、対戦の必須能力とでも呼ぶべきものが必然的に生まれ、また、効率よくチップを使うためにはカスタム1や2のナビカスパーツが必須であったことから、能力選択の自由度はけして高くはなかった。
流星では、ブラザーバンドシステムが融通の利かないシステムであり、しかも、ナビカス要素がそこに組み込まれてしまったために、カスタマイズシステムは破綻していると言っても過言ではない。
「改造カード」による特殊能力の付加は、ナビカスや変身以上に様々なバリエーションがあった。しかし、ステータスガードや強力な範囲攻撃、チップ使用時HP回復などの強力な能力やナビカスに組み込みきれなかった必須能力に人気が集中し、やはり個性を出せるほどの自由度は無かったと言える。
「ウェーブスキャナー」は、ありとあらゆる特殊能力を全部付加する代わりに、戦闘開始時からいずれかのSFに強制変身させるというもの。これを使った対戦はまだ見たことがないが、ただでさえ大味な対戦がより大味になることは確実だろう。
次回作妄想のトップページで、数多く寄せられている妄想の一つに電気属性のSFがある。確かに、炎・水・電気・木の4属性相克関係がある中で、電気属性のSFだけないのは不自然に思われる。
しかし、水属性SFの本質は凍結攻撃であり、それを防ぐ能力は木属性のステータスガード以外に無いので、炎・水(凍結)・木(ステガ)の関係は、3すくみに見えなくもない。
いずれにせよ、チャージ武器はSF解除攻撃としては頼りないし、それも含めて変身のメリットがほとんど無いので、そもそも3属性・3変身である必要性がまったく無い。加えて、残るVer.ごとの特徴(違い)であるギガ、リンクアビの双方を見てもレオ優勢であることから、3Ver.の存在意義すら疑わしい。
前にも述べたとおり、対戦において重要なシステムでなければVer.ごとに違いをつける必要性が無く、逆に言えば、対戦で重要なシステムにきちんとした“違い”をつけられなければVer.を設ける意味が無い。そういう意味では、流星もエグゼもVer.違いを設ける理由が無い。少なくとも、Ver.違いを設けたことが通信機能を使った面白い遊びにつながっているか、という点においては。
話がそれすぎたので、軌道修正。
今回妄想すべきポイントは、どういう変身なら良いのか、そして、それを含めてどういうカスタマイズができればいいのか、ということ。
ついでに、変身やカスタマイズはややこしいので、ここから表現を変える。「静的変身」と「動的変身」という新しい言葉を使うこととする。
「静的変身」は、戦闘開始前にあらかじめセッティングされたもので、リセット効果を持つ攻撃を受けるなどの例外を除いては、戦闘終了時まで効果が持続するものを指す。ナビカス、ブラザーバンド、スタイルチェンジ、善悪度、改造カードの類がここに含まれる。
「動的変身」は、戦闘中に特定の条件で発動するカスタマイズであり、また、何らかの条件で解除されるもの。ソウルユニゾン、獣化、クロス、スターフォースなどが含まれる。
この定義に当てはめると、インビジやカゲブンシンなども動的変身に含まれるかもしれない。特にエグゼ2のカゲブンシンはチャージ武器がフミコミザンに変化するし、インビジ中の相手にダメージ2倍になるような攻撃があっても面白いかもしれない。
前述の通り、ナビカスや改造カードには、必須能力と呼ぶべきものが自由度を削いでいた。逆に言えば、それらが初めから組み込まれることで、根本的に成り立たなくなる戦法が存在するということになる。これは、戦法と対処法が1対1関係で、しかも、効果が0か1かで段階が無いためである。
たとえば、スーパーアーマーにLvを設けて、Lv1では5HIT以上の連続攻撃でのけぞりを無効化し、Lv2では3HIT以上、Lv3ではすべての攻撃でのけぞらない…といった具合に段階を設けるとか、カードにスーパーアーマー効果を付与して、ソード系攻撃の最中はのけぞらない、といった具合に飛び道具へのアドバンテージをつけるとか。
単に能力の種類を増やすだけでは、カスタマイズの自由度は広がらない。その能力の中にも取捨選択(Lv)を取り入れ、また、カスタマイズで対処しなくても、結果的に他の方法で対処できるようにしてこそ、自由度が広がり、個人の個性が発揮される。ある程度強い戦法、強いカスタマイズといった偏りが出るのは仕方ないにしても、少なくとも2つ以上の選択肢があれば問題ないと思う。
どうせスーパーアーマーを全員が付けるなら、そもそも攻撃を受けてものけぞらないようにしてしまえば良いのでは?という考え方もある。逆に、スーパーアーマーをなくすという考え方もある。のけぞることを前提としたゲームにすれば良い。どちらにせよ、静的変身など無くして、みんなフラットな状態にすれば公平で、何の問題も起こり得ない、という理屈だ。
あなたならどちらを支持するだろうか?
動的変身には、変身条件、長所、弱点、解除条件という4つのポイントがある。
ソウルユニゾンはチップ1枚をいけにえにする必要があり、スターフォースは専用のカードを引き当てる必要がある。獣化とクロスはターン開始時にいつでも変身できる。
無属性ソウルと獣化は弱点を持たず、それ以外は弱点属性・系統のダメージが2倍になる。その弱点攻撃の性能によっても事情が変わってくる。
ソウルユニゾンと獣化はターン経過で解除され、クロスとスターフォースは弱点攻撃により解除される。
どれも一長一短ではあるが、いずれにせよ長所が無ければ変身する意味が無い。そして、その長所も、あらかじめ静的変身によって代行できるものであるならば、そちらに任せた方が確実性が高い。
戦闘中に加わって意味のある能力とは、不利な状況をひっくり返す能力であると思う。たとえば、自分のフォルダ構成や静的変身が、相手のそれに対して不利であると判明したときに、動的変身によって、その差を埋めたり、逆転させたりすることができる、といった具合に。
そのためのチャージ武器変化だったり、チップチャージ能力であれば、戦闘中に変身する意味が自ずと生まれてくるし、まずは様子見で変身してから、相手のタイプに合わせて別の形態に変身、といった使い分けも生まれてくる。もっとも、これはフォルダ構成や静的変身の自由度、カードの多様性などが大きく絡んでくるので、一概にこういう変身が良い、という風に言い切れない部分もある。
今回の妄想は、内容的にアンケートを取りにくいので、質問項目をどうすべきか悩んだのですが、とりあえず、各作の変身・カスタマイズシステムの人気投票にします。条件付で、とか、どれもダメだ!という方はコメント欄にビシバシ書いて下さい。
投票だけでは物足りない!という方は、下のコメント欄もご利用ください。
変身・カスタマイズに関する意見やアイディアをお寄せください。皆でウットリ妄想しようぜ!
カプコンのQ&Aにある「ロクマガ」(ロックマンマガジン)Vol.10についてを見ると、スターフォースが発売前に仕様変更されたことが示唆される。
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グリーンドラゴン「バトルカードを縦並びではなく、横並びでも選択できるようになる」共通化
ドラゴンのステータスガードと同様、ペガサスとレオにも特殊能力が備わっていたと考えられる。ペガサスの追尾能力がどのようなものか分からないし、炎属性が+30もされたらレオGXがとんでもないことになるので、ロクマガ編集者の大暴走だった可能性も捨てきれないが……。